経理の仕事にAIを使うと、請求書の処理・経費精算・仕訳の記録まで、手作業の時間をまとめて削れます。

——でも正直、「大企業の話でしょ?うちには関係ない」と思いませんでしたか?

この記事では、社員10名以下の会社でも今日から試せるAI活用法を紹介します。無料ツールから始められて、月末の残業を減らすための具体的な第一歩まで、一緒に確認していきましょう。

らすぼす

ふん、経理にAIか……(社員10名以下でも使えるって、本当に?わらわにもできるのかな…)


経理のどこにAIが使える?まず「時間泥棒」を見つけよう

「経理にAIを使おう」と言われても、自分の業務のどこにAIが当てはまるのか、ピンとこない方が多いのではないでしょうか。

まずは、毎月やっている経理作業を6つのステップに分けて整理してみましょう。

STEP 01

請求書の受け取り

取引先からメールや郵送で請求書が届く

STEP 02

データ入力

金額・日付・取引先名を手打ちで入力 ← AIが担える

STEP 03

経費精算の確認

領収書と申請内容の突き合わせ ← AIが担える

STEP 04

支払いメールの送信

取引先への連絡文面の作成 ← AIが担える

STEP 05

仕訳入力

会計ソフトへの仕訳登録 ← AIが担える

STEP 06

月次レポートの作成

数字のまとめと報告書作成 ← AIが担える

この6つのうち、AIが担えるのは実は「ほぼ全部」です。

LayerXの調査によると、企業がAIを活用している業務のTOP3は「文章チェック(47.8%)」「データ化(44.3%)」「文章の要約(39.1%)」でした。気づきましたか? 経理業務そのものじゃないか、と。

たとえば「データ入力」は、スキャンした書類の文字をAIが自動で読み取る機能でカバーできます。「支払いメール」は、AIに文面を整えてもらえば数秒で完成します。

これ、会社の請求書だけの話じゃありません。
コンビニのレシートをスマホで撮影して、AIに「食費・日用品に分けて」と頼めば、家計管理も同じ感覚でできます。経理の操作と家計管理は、やっていることがほぼ同じなんです。


「1枚10分」の手入力、年間で何時間損してる?

大企業の「年間5,300時間削減」といった数字を見ても、正直ピンとこないですよね。

なので、あなたの会社のスケールで計算してみましょう。

請求書1枚を手で入力するのにかかる時間は、約10分。金額を確認して、日付を打ち込んで、取引先名をコピーして——この繰り返しです。

月に30枚処理しているなら、月5時間。年間で60時間。丸1.5週間分の労働が手入力に消えている計算になります。

月の枚数月間の手入力時間年間の手入力時間その時間でできること
10枚約1.5時間約20時間映画10本分
20枚約3.5時間約40時間丸1週間の労働
30枚約5時間約60時間丸1.5週間の労働
50枚約8.5時間約100時間丸2.5週間の労働
100枚約17時間約200時間丸5週間の労働

三菱地所では、紙の請求書86枚を電子化したことで月860分(約14時間)を削減した事例があります。中小企業スケールに換算すると、月30枚でも月5時間——年間で丸々1.5週間分が手元に戻ってくるわけです。

ちなみに、この計算式は家計にも使えます。毎月の通帳チェックや公共料金の支出確認に30分かけているなら、年間で6時間。仕事も家計も「手で数字を打ち込む」という同じ問題を抱えているなら、解決方法も同じです。

らすぼす

ふむ…年間60時間とな……(え、それって丸1.5週間分の仕事じゃないか。知らなかった……)


今日から試せる経理AIツール3選【無料〜月3,000円以下】

「AIツール」と聞くと、数百万円のシステム投資を想像するかもしれません。でも、中小企業や個人事業主が今日から試せるツールは、無料か月数千円で手に入ります。

大企業向けの高額ツールは忘れてください。ここでは「まず触ってみる」ための3つだけ紹介します。

らすぼすがスマホを使ってレシートを撮影している挿絵(本文中イラスト)。「これだけか...(やってみたら案外簡単だったというニュアンス)」という表情。ツール紹介の前に挿入してリズムを作る


① ChatGPT(無料)

請求書の写真をスマホで撮って貼り付ければ、金額・日付・発行元を読み取ってくれます。メール文面のチェックも得意。「この仕訳、勘定科目は何?」と聞けば、10秒で候補が出ます。勘定科目を聞くのに恥ずかしさもありません。相手はAIですから。

無料プランでも画像アップロードは可能ですが、回数制限があるため、まずは数枚から試してみましょう。また、取引先名や金額をAIに送る際は、ChatGPTの設定から「チャット履歴とトレーニング」をオフにすることで、入力データが学習に使われるのを防げます。


② マネーフォワードクラウド(月数百円〜)

すでに会計ソフトとして使っている方もいるかもしれません。AI機能を使えば、請求書の自動仕訳やインボイス対応書類の管理まで任せられます。


③ freee(月1,480円〜)

請求書の受け取りから仕訳・保管まで、ひと通りを自動化できます。インボイス制度への対応も組み込まれているので、制度対応で増えた作業が気になる方に向いています。

ツール名月額費用主な使い方こんな人向け難易度
ChatGPT無料文字読み取り・メール作成・質問まず無料で試したい人
マネーフォワード月数百円〜自動仕訳・インボイス管理会計ソフトごと揃えたい人★★
freee月1,480円〜受取〜仕訳〜保管の一括自動化請求書処理を丸ごと任せたい人★★★

どれもスマホとネット環境だけで始められます。大企業のシステム投資の話ではありません。

らすぼす

無料から始められるではないか…(思ったよりハードル低い。これならわらわでも試せそうな…)


「AIに仕事を奪われる」は本当か——経理担当者の新しい立ち位置

ここまで読んで、「便利なのは分かった。でもAIが全部やってくれるなら、経理担当者はいらなくなるんじゃ……」と心配になった方もいるかもしれません。

結論から言うと、AIは「作業」を引き受けるだけで「判断」は任せられません。

AIが担う業務

パターン化できる作業

データ入力



集計・分類



パターン検出



24時間対応

反復作業・大量データ処理が得意

人間が担う業務

判断が必要な業務

例外対応



経営判断



税法の解釈



社長への提言

倫理的判断・創造的業務が必要

AIが得意なのは、データ入力・集計・分類といったパターン化できる反復作業です。とはいえ、例外的な取引の処理や、税法の解釈が絡む判断、そして「来月の資金繰りをどうするか」という経営相談は、人間にしかできません。

想像してみてください。月末の入力作業に追われていた経理担当者が、AIに手作業を任せたことで5時間の空きができた。その時間で、社長と来月の資金繰りについて話し合えるようになった——。これは「仕事を奪われた」のではなく、「本来やるべき仕事に時間が使えるようになった」ということです。

日常でも同じことが言えます。家計のレシート入力をAIに任せたら、手入力していた頃には見えなかった「外食費が毎月じわじわ増えている」というパターンに初めて気づいた、なんてことが起きます。

AIは仕事を奪うのではなく、自分が本当に考えるべきことを見せてくれるもの。そう捉えると、ちょっと見え方が変わりませんか。

らすぼす

なるほど、単純作業をAIに任せると、もっと大事なことに時間が使えるわけか……(これはちょっと、いい話かもしれん)


今週1つだけ試してみよう——経理AI入門、最初の一歩

全部一気にやろうとしなくて大丈夫です。

今週、1つだけ選んで試してみてください。たった1つでいいんです。

1

請求書を撮影

難易度★・所要2分
ChatGPTで文字読み取り



2

メール文面作成

難易度★★・所要3分
ChatGPTで文章整形



3

クラウド会計に登録

難易度★★★・所要15分
マネーフォワード無料トライアル


ステップ①(難易度★・所要2分)

手元の請求書を1枚だけスマホで撮影して、ChatGPTに「金額・日付・発行元を表にして」と送ってみてください。ポチポチ入力するだけで、数秒後には整理された表が返ってきます。


ステップ②(難易度★★・所要3分)

取引先への請求書送付メールの文面を、ChatGPTに「丁寧なビジネスメールに整えて」と頼んでみましょう。下書きをコピペして送るだけです。


ステップ③(難易度★★★・所要15分)

マネーフォワードクラウドの無料トライアルに登録して、請求書を1枚だけ取り込んでみましょう。自動で仕訳候補が出てくる体験は、ちょっと感動します。

「全部やらなくていい。今週1つだけ。」

ちなみに、仕事以外でも試せます。財布に溜まったレシートをまとめてスマホで撮影して、ChatGPTに「食費・外食・日用品に分けて合計を出して」と頼んでみてください。所要5分で、先月の支出が見える化できます。

インボイス制度で増えた書類処理にうんざりしている方こそ、まさにAIの出番です。

らすぼすが腕を組んで少し驚いている挿絵(本文中イラスト)。「ふん...なかなかやるではないか」という表情。ステップを見た後の「意外と簡単そう」という読者の感情と連動させる
らすぼす

ふっ、スマホで撮影して送るだけか……(2分なら、やってみてもいいかもしれない。怖くはない…たぶん)


まとめ: 月末が怖くなくなる経理へ——今日できる第一歩を踏み出そう

ここまで読んだあなたなら、「経理にAI」が大企業だけの話ではないと分かっているはずです。

最初は「うちには関係ない」と思っていたかもしれません。でも、請求書の入力も、メールの文面チェックも、経費の分類も——AIが手伝ってくれる場面は、すぐ手の届くところにありました。

この記事のポイントを3つにまとめます。

01

経理業務の大部分はAIが得意

請求書・経費精算・メール文面は、すべてAIの出番です

02

中小企業こそ恩恵が大きい

1人で全部回している経理担当者が、月5時間を取り戻せます

03

まず今週1つだけ試せばいい

ChatGPTは無料で、スマホがあれば今日から始められます

月末の残業がなくなったら、何に時間を使いたいですか?

早く帰って家族とごはんを食べるもよし、溜まっていた書類の整理に充てるもよし。その「余白」を作る第一歩が、スマホで請求書を1枚撮影することです。


次のステップ

まずは手元の請求書を1枚、スマホで撮影してChatGPTに送ってみてください。2分で終わります。


この事例を自社でも実現しませんか?

nos.tokyoでは、本記事で紹介したようなAI活用の導入支援を行っています。

御社に最適な導入プランがわかる

具体的な進め方をご提案します